資産形成中でも家族旅行にお金を使っていい理由|貯金との両立ルールを公開

「投資や貯金を頑張っているのに、家族旅行で大きなお金を使うのは間違っているんじゃないか」

「口座の数字が減るのが怖くて、旅行の予約ボタンが押せない」

資産形成に本気で取り組んでいる人ほど、こういう罪悪感を抱えていませんか。

我が家もまさにそうでした。結婚当初の貯金は228万円。そこから固定費削減と投資を積み上げて、資産は9,000万円台まで来ました。目標の1億円まで、残りおよそ1,100万円です。

ところが数字が増えるほど、お金を「使う」ことが怖くなっていったんです。

その我が家が、2025年は旅行や体験に年間約147万円を使いました。そして翌2026年は、あえて100万円に設定し直しています。

この記事では、なぜ使うと決めたのか、そしてどうやって金額を決めたのかを、実際の数字とあわせて公開します。

✅ この記事でわかること

  • 資産形成中でも家族旅行にお金を使っていい、という考え方の根拠
  • 我が家が旅行費を決めるときに使っている3つの基準
  • 年間147万円→100万円に調整できた理由と、罪悪感を消す具体的な手順

結論:旅行費は「我慢するもの」ではなく「設計するもの」

少し前まで、我が家の旅行は「車で行ける範囲」が当たり前でした。

飛行機に乗るのは帰省のときだけ。旅行自体はよく行っていましたが、頭にあるのはいつも「近場で、安く」です。飛行機で沖縄まで行くなんて、選択肢にすら入っていませんでした。

その我が家が、いまは3年続けて沖縄に通っています。

何が変わったのか。年間の予算を先に決めて、夫婦で合意するようにした。それだけです。

罪悪感の正体は、支出そのものではありませんでした。「これは使っていい金なのか」が自分でも分からない、その不透明さです。金額を先に決めた瞬間、迷いが消えました。

予算の中で使う分には、それは浪費ではなく計画です。

ここに至るまでに何があったのか、実際の数字と一緒にお話しします。

貯金228万円スタート。「貯める力」だけに偏っていた我が家

我が家は転勤族の会社員夫婦と、双子の娘の4人家族です。

結婚当初の貯金は228万円。決して恵まれたスタートではありませんでした。

そこから徹底的に固定費を削りました。保険を見直し、格安SIMに乗り換え、使っていないサブスクを解約する。増えた分は投資に回す。それをひたすら続けてきました。

結果として資産は9,000万円台。配当も夫婦合算で年62万円(税引き後)まで育ちました。

数字が右肩上がりに伸びていくのは、正直かなり気持ちのいいものです。

でも、あるときふと気づきました。

「貯める」「増やす」ばかりが上手くなって、「使う」がまったく下手になっていると。

旅行の話が出ても、頭の中で「その分を投資に回したら何年後にいくらになるか」を計算してしまう。せっかくの家族の時間を、コストとして見てしまっている自分がいました。

このままだと、娘たちの記憶に残るのは「パパとママはいつもお金の計算をしていた」という光景だけかもしれません。それは本末転倒です。

リベ大で知った「使う力」。夫婦で認識をそろえた

転機になったのは、リベ大やリベシティで「使う力」という考え方を学んだことでした。

お金の力は「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つ。私はそのうち4つばかりを鍛えて、最後の1つをまるごと放置していたわけです。

お金は使わなければ、ただの数字です。数字を人生の価値に変換する技術こそが「使う力」なのだと知りました。

そしてこれは、私ひとりが納得しても意味がありません。夫婦のどちらかが「使いすぎでは」と思っていたら、旅行中もずっと気まずいからです。

そこで我が家の「ほのぼの夫婦みらい会議」で、この話をテーマに取り上げました。

みらい会議は、毎週金曜に夫婦の予定が合えば開いている家族会議です。月1回以上のペースで、資産の状況やこれからの計画を共有しています。

そこで話し合ったのは、こういうことでした。

  • 資産を増やす目的は、家族が豊かに過ごすことだったはず
  • 子どもと過ごせる時間には期限がある
  • だから「増やす」と「使う」の両方に、ちゃんと予算をつけよう

この認識がそろった時点で、旅行に対する罪悪感はかなり軽くなりました。ひとりで悩んでいたものが、夫婦の共同判断に変わったからです。

我が家が家族旅行にお金を使うと決めた3つの基準

とはいえ「使う力が大切」だけでは、いくら使っていいのか決まりません。

そこで我が家では、次の3つの基準で判断しています。

基準①:それは「今しか買えない体験」か

これが最も重視している基準です。

娘たちは7月に8歳になりました。小学2年生です。

親と一緒に旅行に行って、心から楽しんでくれる時期は、そう長くありません。あと数年もすれば、友達との予定を優先するようになるはずです。

同じ金額を使うにしても、10年後に使うのと、いま使うのとでは、返ってくるものがまったく違います

お金は10年後にも使えます。でも「8歳の娘と海に潜る」は、今年しかできません。

基準②:資産形成の土台を壊さないか

感情だけで決めると、ただの散財になります。ここは数字で見ます。

確認するのはシンプルに2点です。

  • 毎月の積立額を減らさずに払えるか
  • 生活防衛資金に手をつけずに払えるか

この2つを守れているなら、その支出は資産形成のスピードを大きく落としません。

実際、2025年は旅行や体験に約147万円を使いました。それでもその1年で、我が家の資産は約1,960万円増えています(2024年12月末の約6,270万円から、2025年12月末の約8,230万円へ)。

使ったうえで、増えている。この事実が「使っていい」の何よりの根拠になりました。

逆にこの条件を満たせないなら、それは予算オーバーです。行き先や時期を見直します。

基準③:夫婦で合意できているか

金額の大小より、こちらのほうが大事かもしれません。正直に書きます。以前の我が家は、ここで少しぎくしゃくしていました。

私はもともと「なるべく安く」と考えて旅行を計画するタイプです。ところが妻が、私のイメージより高い宿を取ってくることがありました。

文句を言ったことは一度もありません。でも内心では、勝手にストレスを感じていました。

これが変わったのが、年間100万円というキャップを決めてからです。

妻が宿を選ぶときも、予算の中でどう配分するかを考えたうえで決めてくれているのが伝わるようになりました。同じ金額でも、受け取り方がまるで違います。勝手にストレスを感じることが、なくなりました。

誤解のないように書いておくと、この予算は「何でもあり」を封じるためのものではありません。

100万円を超える判断をする年もあると思います。そのときに「これは本当に必要か」「家族の記憶に残るものか」を二人で吟味する。その物差しになっているのが、この金額です。

沖縄に3年通ってわかった「体験は深まるほど安くなる」

我が家は沖縄旅行を3年続けています。同じ場所に続けて通ってみて、意外な発見がありました。

年を追うごとに、満足度は上がって、コストは下がっていったのです。

1年目は、いわゆる観光をひと通りやりました。水族館に行き、北部の森も少し見て回りました。初めての場所なので、当然「全部見たい」となります。移動も多く、その分お金もかかりました。

2年目は、離島に宿を取りました。そしてこの年、旅のハイライトが生まれます。

4時間の貸切シュノーケリングを申し込んだのですが、そこで娘たちが海の中でウミガメに出会ったのです。

サンゴ礁の上でくつろぐウミガメと、水面からシュノーケリングで見下ろす家族
実際に出会ったウミガメ。サンゴ礁の上でゆったりしていました

海から上がってきたときの、あの興奮した顔は忘れられません。しばらくの間、家でも学校でもその話ばかりしていました。

この1枚が撮れたことが、我が家にとっての「使ったお金の成果」です。通帳の数字では、こうはなりません。

そして3年目の計画を立てるときは、行き先を決めるのが驚くほど簡単でした。

観光したい場所は2年でだいたい回り終えています。だから残すのは「本当にやりたいこと」だけでいい。海に潜ることと、プールのあるホテルでのんびりすること。この2つに絞りました。

やりたいことがはっきりしているほど、無駄な移動と無駄な出費が消えます。

「毎年同じ場所に行くのはもったいない」と思われるかもしれません。でも我が家の実感は逆でした。同じ場所に通うほど、その土地での過ごし方が上手くなっていきます。

3年続けている一番の理由は「娘たちが今も話し続けている」から

では、なぜ2年目、3年目と続けることを決めたのか。

理由ははっきりしています。娘たちが、帰ってきたあともずっとその話をしているからです。

帰った直後だけではありません。何か月経っても、ふとした瞬間に「あのときのウミガメ、大きかったね」と話し出します。特に去年のシュノーケリングの話は、本当によくしてくれます。

大きいのは、旅行の写真を家の壁に飾っていることだと思います。毎日目に入るので、そのたびに記憶が呼び起こされる。写真の前で足を止めて、娘たちが勝手に思い出話を始めることもあります。

これはおそらく、5年後も10年後も続きます。

モノは壊れる。でもコトは、家族の共有財産になる

この3年で、我が家にはひとつの考え方が根づきました。

モノを買うと、たいていはその場で満足が終わります。

我が家の押し入れには、一眼レフカメラが眠っています。撮り方が難しくて、結局ほとんど使わないまま。「いつか読もう」と思って買ったハウツー本も、同じ場所に積んであります。

買った瞬間は、たしかに満足していたはずなんですが。

でも体験は違いました。家族全員の中に残り、何度でも一緒に取り出せるのです。しかも時間が経つほど、話す回数はむしろ増えていきます。

だから我が家は、家族で過ごした体験を「消費」ではなく「家族みんなで共有できる財産」だと考えるようになりました。

資産形成をしている人間として、この整理はかなり腑に落ちました。貯金や株と同じように、思い出も家族で持ち続けられる資産だということです。

2025年147万円→2026年100万円。メリハリの正体

ここで、実際の数字を並べます。

項目 2025年 2026年(設定)
年間の旅行・体験費 約147万円 100万円
方針 7歳の「今」に全力投資 やりたいことに絞ってメリハリ
娘たちの年齢 7歳 8歳(小学2年生)
沖縄旅行 2年目・離島に宿泊 3年目・海の体験中心
資産への影響 約147万円を使いつつ約1,960万円増 9,000万円台から1億円へ積み上げ継続
2026年の100万円は「みらい会議」で夫婦で決めた金額です

147万円から100万円へ。約47万円の減額です。

ただしこれは、我慢を決めたわけではありません。

「使いすぎた」と気づいたのは、マネーフォワードで年間集計を開いたときでした。

マネーフォワードの2025年の年間集計。旅行1,253,667円、アウトドア216,868円と表示されている
2025年の実際の集計。旅行1,253,667円+アウトドア216,868円=約147万円でした

沖縄旅行だけの数字ではありません。帰省、近場の旅行、年6回通っているキャンプ。1年ぶんを合計すると、旅行に125万円、キャンプなどのアウトドアに22万円。あわせて147万円でした。

そこで考えました。このまま上限なしで使い続けるのか。それとも上限を決めて、その中で楽しむのか。

みらい会議で妻と話して、後者を選びました。「来年は100万円でいこう」と。

大事なのは、多少超える年があってもいいということです。「100万円の中で楽しむ」という認識を、夫婦で共有しておく。そこさえ揃っていれば、旅行のたびに揉めることがなくなります。

そのためにも、家計簿を定期的に開いて二人で見る習慣が効きました。

そして前の章で書いたとおり、行き先と過ごし方が固まったおかげで、予算を減らしても体験の中身は落ちていません

これが我が家の考えるメリハリです。減らすべきは金額ではなく、迷いと無駄な移動でした。

罪悪感をなくすために、今日からできる4ステップ

ここまでの話を、そのまま使える手順にまとめます。

ステップ1:年間の「体験予算」を先に決める

旅行のたびに悩むから苦しいのです。

年の初めに「今年は体験に○○万円まで」と決めてしまいましょう。金額は家計に合わせて構いません。10万円でも30万円でも、決めることに意味があります。

予算の中で使う分には、それは計画的な支出です。罪悪感を持つ必要がありません。

ステップ2:夫婦で合意しておく

ひとりで決めた予算は、途中で必ずぐらつきます。

我が家のみらい会議のように、時間を取って話す場をつくってください。カフェでも、子どもが寝たあとのリビングでも構いません。

「いくらまでなら気持ちよく使えるか」を、正直に出し合うことが大切です。

ステップ3:使ったあとに、必ず振り返る

これが抜けている家庭は多いと思います。

使いっぱなしにせず、「今年の使い方はどうだったか」を夫婦で振り返ってください。

我が家が147万円から100万円に調整できたのは、この振り返りをやったからです。振り返るからこそ、次の予算に根拠が生まれます。

ステップ4:写真を飾って、体験を「何度も使う」

最後に、いちばん費用対効果が高いと感じている工夫です。

旅行の写真を、スマホの中にデータのまま置いておくのではなく、プリントして家の壁に飾ってください

我が家はこれをやってから、子どもたちが思い出話をする回数が明らかに増えました。1回の旅行が、何年にもわたって家族の会話を生み続けてくれます。

使ったお金を「その一度きり」で終わらせないための、いちばん簡単で、いちばん安い方法だと思います。

まとめ:数字を、記憶に変える

資産形成は、耐え忍ぶ修行ではありません。

貯めたお金を、家族の記憶に変換していく作業まで含めて、はじめて意味を持つのだと思います。

大切なのは、この4つです。

  • 年間の体験予算を、先に決めておく
  • 夫婦で合意してから使う
  • 使ったあとに振り返って、翌年の予算に反映する
  • 写真を飾って、その体験を何年も味わい直す

これさえ回っていれば、家族旅行にお金を使うことに罪悪感を持つ必要はありません。むしろそれは、資産形成の目的そのものです。

まずは今夜、パートナーと「来年の体験予算、いくらにする?」と話してみませんか。

その一言が、我が家にとっては大きな転換点になりました。

※本記事は特定の投資手法や金融商品を推奨するものではなく、我が家の家計管理の実体験を記録したものです。金額はすべて我が家の実額で、家計状況や必要な支出は各家庭で異なります。資産形成や家計の判断は、ご自身の状況に応じてご検討ください。