金の価格が上がっています。
ニュースで「最高値」と聞くたびに、気になっている人は多いと思います。ただ、検索して出てくるのは売る側と買い取る側の情報ばかりです。
個人が実際にいくら持っていて、どう分けて、どうやって出口を考えているのか。そこはほとんど出てきません。
だから、我が家の中身をそのまま公開します。
2026年9月時点で、資産の28.0%が金です。現物が1本と、上場投資信託(ETF)が3本。合計4本に分けて持っています。
そしてもうひとつ、正直に書いておきたいことがあります。
6年前と今とでは、同じ金を持つ目的が正反対になりました。2018年は「増やすため」。2024年からは「減らさないため」です。
この記事でわかること
- 資産の28%を金にしている、4本の内訳と実額
- 月1万円の積立を始めて、4年後に全部売ったときの数字
- 売った2年後に、2日間で811万円分を買い直した理由
- 現物とETFを同時に買った理由(出口の税金が違う)
- 314Aを信託報酬の安さで選び、翌年はいちばん高い1540を選んだ理由
- 4本の持ち続ける費用の実額(いちばん安かったのはどれか)
- 6年やってみて、いちばんよかったこと
※ 特定の商品をすすめる記事ではありません。私が実際にやったことと、そのときの考えの記録です。
資産の28.0%が金。現物1本とETF3本に分けている
まず現在地から書きます。
2026年9月時点で、我が家の資産は9,000万円台(約9,325万円)です。そのうち金が2,613万6,420円。全体の28.0%にあたります。

内訳はこの4本です。
| 持ち方 | 買った時期 | 評価額 | 損益率 |
|---|---|---|---|
| 金の現物(田中貴金属) | 2024年2月 | 1,197万0,500円 | — |
| 1326 SPDRゴールド・シェア 米ドル建て/金はロンドン保管 | 2024年2月 | 627万2,000円 | +122.88% |
| 314A iシェアーズ ゴールドETF 円換算の金価格に連動(為替ヘッジなし) | 2025年3月 | 485万4,000円 | +55.58% |
| 1540 純金上場信託「金の果実」 円建て/金を国内で保管 | 2026年6月 | 303万9,920円 | +1.90% |
目標にしている比率は資産の約30%です。今は28.0%なので、ほぼ到達しています。
だから現物の積立は現在止めています。買い足す理由が、今はありません。
ここに至るまでに、8年かかりました。順番に書いていきます。
2018年、月1万円の積立から始めた(増やすため)
最初に金を買ったのは2018年5月です。純金積立を、月1万円で始めました。

きっかけは、投資について学び始めた時期に「金はこれから上がる可能性が高い」という話に触れたことでした。
正直に書くと、それを何で読んだのか、私はもう覚えていません。本だったのか、ネットの記事だったのか。積立をすすめる内容だった、ということだけが記憶に残っています。
ここは、はっきりさせておきたいところです。
当時の私にとって、金は「増やすための資産」でした。上がりそうだから買う。それだけです。守りとか、通貨の話とか、そんなことは何も考えていませんでした。
月1万円という金額も、深く考えて決めたものではありません。なくなっても生活に影響しない額、という決め方でした。
2022年3月8日、296gをすべて売った
4年近く積み立てて、2022年3月8日の14時22分、私は全部売りました。
| 売却した重さ | 296.49g |
| 売却時の価格 | 1gあたり 8,085円 |
| 受け取った金額 | 2,397,129円 |
| 平均取得価格 | 1gあたり 5,476円(取得額 約162万円) |
| 利益 | 約77万円(+47.7%) |
売った理由は、あとから理屈をつけても仕方がないので、そのまま書きます。「ぼちぼち上がったから」です。
その後、金の価格はさらに上がりました。
それでも私は、「売らなければよかった」とは思っていません。
あのとき持っていた金は、増やすために買ったものでした。4年で+47.7%になり、目的は達成されています。利確は正しかった、と今でも思います。
間違いだったのは、売ったことではありません。「金は増やすもの」だと思い込んでいたことのほうです。それに気づくのは、2年後でした。
2024年2月、2日間で811万円分を買い直した(減らさないため)
全部売った2年後。私は金を買い直しました。しかも、けた違いの金額で。
今度は積立ではありません。一時金で、まとめて買いました。
| 2024年2月7日 | 金の現物を一時金でまとめて購入 | 5,298,000円 |
| 2024年2月9日 | 1326(SPDRゴールド・シェア)を購入 | 2,814,100円 |

何が変わったのか。目的です。
きっかけは、投資系の動画で見た考え方に納得したことでした。要点は3つです。
- インフレが進むと、通貨そのものの価値が目減りしていく
- 世界の中央銀行も、金を買い増している
- ドルに対する信用不安がある
断っておくと、これは私が納得したというだけの話で、そうなると決まっているわけではありません。将来どうなるかは誰にもわかりません。
ただ、この見方に立つと、金の役割が変わります。
増やすための資産ではなく、減らさないための資産。
現金や株が目減りする局面で、価値を保つ側に置いておくもの。私はそう考えて、ポートフォリオの中に金を組み込み直しました。
目的が変わると、買い方も変わります。
増やすためなら「安いときに買って高いときに売る」でいい。でも守りなら、資産全体の中で何%持つかという話になります。だから比率で考えるようになりました。目標は約30%です。
なぜ現物とETFを2日違いで買ったのか
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
2024年2月7日に現物、2月9日にETF。2日違いで別の持ち方を買ったのは、意図的です。
理由は2つあります。
① 買う時期そのものを分けたかった
同じ日に全額を入れると、その日の値段が全部になります。数日ずらすだけでも、買値は分かれます。
大きな金額を一度に動かすときは、少しでも分けておきたい。それだけの話です。
② 出口の税金の扱いが違う
そして2つ目が、いちばん大きな理由です。
同じ金でも、売ったときの税金の扱いが違います。

私の理解では、こうなっています。
- 金の現物…売却益は譲渡所得として総合課税。給与など他の所得と合算されます。年50万円の特別控除があり、保有5年超なら課税の対象が2分の1になると理解しています
- 金のETF…上場株式等と同じく申告分離課税(約20%)。他の所得とは合算されず、同じ区分の損益と通算できると理解しています
どちらが有利か。これは断定できません。そのときの所得の大きさ、利益の大きさ、売る年に何があるかで変わるからです。
だから私は、片方に寄せませんでした。両方持っておけば、売るときに選べます。
では、いつ売るのか。ここは正直、まだ決めていません。
ただ、方向として考えていることはあります。一度に全部売ると、税金が大きくなる。
だから売るとしても、何年かに分けることになると思っています。現物は年50万円の特別控除があるので、分けて売る意味が大きいからです。
具体的な年数まで決めているわけではありません。持ち方は決めたけれど、売り方はこれから。それが今の状態です。
※ 税制は改正されます。実際の取り扱いは、必ず税務署や税理士にご確認ください。
現物のデメリットも書いておく
いいことばかりではありません。
ひとつは持っているだけで費用がかかることです。私が使っている田中貴金属では、年1回の費用がかかります。
ETFにも運用の費用はありますが、現物は「保管してもらう」という性質上、持ち続けるかぎり出ていきます。
もうひとつは売るときに自分で申告する必要があることです。総合課税なので、証券口座のように源泉徴収で完結しません。
なお、売ること自体は難しくありません。私は2022年にネットで売却しています。手続きの重さではなく、税金の計算を自分でやる必要があるという意味での手間です。
手間はあります。それでも現物を持っているのは、売るときの選択肢が増えるからです。
2025年3月、314Aを買い足した(1326より信託報酬が安かった)
2024年に買い直したあと、さらに2本足しています。ただし、2本の理由はまったく違います。
2025年3月13日、314Aを3,120,000円分買いました。上場したのが2025年1月なので、出てすぐに買ったことになります。
理由は3つでした。
- 金をもっと増やしたかった。目標にしていた30%には、まだ届いていませんでした
- 現物は出口が難しい。総合課税なので、これ以上は増やしたくなかった
- 1326より信託報酬が安かった(314Aが年0.220%、1326が年0.40%)
とくに3つ目です。同じ金を持つなら、持ち続ける費用は安いほうがいい。単純にそう考えました。
ここまで読んで、気づいた方がいるかもしれません。
この3つに、ドルの話は入っていません。
円の価値が下がることは、頭にはありました。ドルへの信用不安を語る発信も見ていました。ただ、それと自分が持っている金ETFを結びつけてはいませんでした。
自分が持っている金ETFが、どの通貨で値段がついていて、どこに置かれているのか。そこまでは見ていませんでした。
このとき私が見ていたのは、コストでした。
2026年6月、ドルの不安を感じて1540を選んだ
見方が変わったのは、今年に入ってからです。
インフレ、金利の上昇、円の下落。そこにアメリカへの不安が重なりました。
そこで初めて、自分の金がどこにあるのかを意識しました。1326も314Aも、金そのものはロンドンで保管されています。
本当は、現物を買い増すつもりだった
国内に置く。それだけなら、いちばんはっきりしているのは現物です。
だから最初に考えたのは、田中貴金属で現物を買い増すことでした。
それでもやめました。理由は出口の税金です。
現物の売却益は総合課税で、控除は年50万円。ETFは申告分離課税で約20%。この違いが、買い増す前に引っかかりました。
これ以上現物を増やすより、ETFで持つほうが、売るときの見通しが立つ。そう考えました。
国内に置きたい。でも出口は読めるようにしておきたい。
その両方を満たしたのが1540でした。円建てで、金は国内保管で、しかもETFです。
ここは正直に書きます。最初から300万円買うつもりはありませんでした。
6月16日から29日にかけて、3回に分けて合計2,983,384円。1回目を買ったあと、自分の見方に自信が持てて、買い足しました。

計画通りに積み上げたわけではありません。途中で確信が強くなったから増やした、というのが実際のところです。
ただし、円建てにしても為替からは逃げられない
ここは、はっきり書いておきます。
円建てを選んでも、金の値段は世界的にはドルでついています。円建ての価格は、そのドルの価格を円に直したものです。だから為替の影響から完全に逃げられるわけではありません。
私が1540で変えられたのは、通貨そのものではなく、金がどこに置かれているかのほうです。
正直に言えば、買ったときの私はここを混同していました。「円建てにすれば為替は関係ない」わけではない——これは、この記事を書きながら整理して、はっきりした点です。
1540だけができること:金の延べ棒に交換できる
では、国内保管に意味はないのか。あります。
1540には、他の2本にない特徴があります。金の延べ棒そのものに交換できるのです。
運用している三菱UFJ信託銀行の公表内容では、こうなっています。
- 登録された証券会社を通じて、金地金1kg単位で受け取れる(1回あたり5kgまで)
- 原則、受付日から14営業日以内に引き渡し
- 費用は事務手数料5,500円+鋳造替え22,000円/kg+送料
金が国内にあるから、これができます。1326も314Aも、金はロンドンの金庫にあって、個人が引き出すことはできません。
ただし、ここも正直に書いておきます。交換は1kg単位です。
今の私の1540は304万円。1kgに必要な金額には、まだ届いていません。仕組みとしてあるだけで、いま使えるわけではない、ということです。
それでも、もともと現物を買い増そうとしていた私にとっては、この仕組みがあること自体に意味があります。持ち続けた先に、選択肢がひとつ増えるからです。
ETF3本の損益と、4本を持ち続けるコスト

ここまでの結果として、ETF3本はこうなっています。
- 1326 SPDRゴールド・シェア(2024年2月)… +122.88%
- 314A iシェアーズ ゴールドETF(2025年3月)… +55.58%
- 1540 純金上場信託「金の果実」(2026年6月)… +1.90%
買った時期が違うので、差が出るのは当然です。1540が+1.90%なのは、買ってまだ3か月だからにすぎません。
誤解しやすいところなので書いておきます。3本とも中身は同じ金です。1326も買った直後は含み益ゼロでした。これから先の値動きは、3本とも同じです。
ここで一喜一憂しないようにしています。守りとして持つと決めた以上、短期の数字で判断すると意味がなくなるからです。
持ち続けるのに、年およそ5万円かかっている
増えた話ばかりでは公平ではないので、出ていくお金も書きます。4本を並べます。
| 持ち方 | 評価額 | 年間の費用 | 評価額に対する率 |
|---|---|---|---|
| 金の現物(田中貴金属) | 1,197.0万円 | 1,320円 | 0.011% |
| 1326 SPDRゴールド・シェア | 627.2万円 | 約25,000円 | 0.40% |
| 314A iシェアーズ ゴールドETF | 485.4万円 | 約10,700円 | 0.220% |
| 1540 純金上場信託「金の果実」 | 304.0万円 | 約13,400円 | 0.440% |
| 合計 | 2,613.6万円 | 年 約50,400円 | — |
並べてみて、自分でも意外でした。
いちばん安いのは、現物でした。
田中貴金属の純金積立は、ネットサービスを使っていれば年会費が無料になります。私は積立を止めているので、口座管理料が年1,320円かかります。
ここが大事なところです。この1,320円は、保有量にかかわらず定額です。1,197万円分を持っていても、年1,320円。
一方ETFは残高に対して率でかかります。増えれば増えるほど、費用も増えていきます。
ETF3本の中では、314Aがいちばん安い(年0.220%)。これは偶然ではありません。2025年に314Aを選んだ理由のひとつが、まさに「1326より信託報酬が安いこと」でした。
そしていちばん高いのが1540(年0.440%)です。
ここで、自分でも矛盾しているように見えることがあります。コストで選んでいた私が、翌年にはいちばん高いものを買っている。
ここまで並べると、はっきりします。
持ち続けるコストだけで見れば、現物を買い増すほうが有利でした。
それでもETFにしたのは、繰り返しになりますが出口の税金です。持っている間の安さと、売るときの読みやすさ。私は後者を取りました。
それでも1540を持っている理由
コストで見れば、1540は割に合いません。それでも持っているのは、この4本が同じものではないからです。
| 持ち方 | 持ち続ける費用 | 出口の税金 | 金の置き場所 |
|---|---|---|---|
| 現物 | ◎ 年1,320円(定額) | △ 総合課税 | ◎ 国内・引き出せる |
| 314A | ○ 0.220% | ◎ 申告分離 約20% | △ ロンドン |
| 1326 | △ 0.40% | ◎ 申告分離 約20% | △ ロンドン |
| 1540 | △ 0.440% | ◎ 申告分離 約20% | ◎ 国内 |
1540だけが「出口は申告分離 × 金は国内」の組み合わせです。
言い換えると、年13,400円は、アメリカで何かあったときに金が日本にあることへの値段です。私はこれを払うことにしました。
アメリカのリスクは、かなり高いと感じています。通貨そのものへの信用も揺らいでいると見ています。だから資産の30%は金で持っておきたい。今の28.0%は、その考えの結果です。
※ これは私の見方であって、そうなると決まっているわけではありません。
同じ「守り」の枠にある暗号資産のこと
ついでに書いておくと、我が家は暗号資産も約82万円持っています。位置づけは金と同じ「守り」の枠です。
ただしこれ以上は増やしません。将来性を感じていないからです。
それでも売らずに持っているのは、価格の動きを自分ごととして見ておきたいからです。持っていないと、真剣には見ません。
守りの枠の主役は、あくまで金です。暗号資産はその外側に少し置いてあるだけ、という位置づけです。
いちばんよかったのは、6年前に口座を開いていたこと
8年やってみて、いちばん効いたことは何か。
金の値段でも、買った時期でもありません。2018年に、自分で調べて口座を開いていたことです。
2022年に全部売ったあとも、私は口座を閉じませんでした。
だから2024年2月、「買い直そう」と決めたときに、すぐ動けました。中身がゼロでも、器は残っていたからです。
もしあのとき口座がなかったら、どうなっていたか。
申込書を取り寄せて、本人確認をして、開設を待つ。ここだけで数週間かかります。その間に価格は動きます。「決めたのに買えない」時間ができるということです。
買うかどうかは、まだ決めていなくていい。でも器だけは先に用意しておくと、決めた日に動けます。
これは金にかぎった話ではありません。証券口座も、銀行口座も同じです。
まとめ:同じ金でも、6年で目的が正反対になった
- 2026年9月時点で資産の28.0%が金。現物1本+ETF3本の計4本、評価額2,613万円
- 2018年は月1万円の積立から。目的は「増やすため」だった
- 2022年3月に296.49gを全量売却。約240万円・+47.7%。売ったことは後悔していない
- 2024年2月、2日間で811万円分を買い直した。目的が「減らさないため」に変わったから
- 現物とETFを両方持つのは、出口の税金の扱いが違うから。どちらが有利かは断定できない
- 314Aは「1326より信託報酬が安い」から選んだ。そこにドルや保管場所の視点はなかった
- 2026年になってドルの不安を感じ、国内保管の1540を選んだ。ただし円建てでも為替の影響は残る
- 本当は現物を買い増したかった。やめたのは出口の税金の違いから
- 1540は計画通りではなく、買ったあとに確信が強まって買い足した
- 持ち続ける費用は4本で年約5万円。いちばん安いのは現物(年1,320円の定額)だった
- 1540だけが「出口は申告分離 × 金は国内」。年13,400円はその条件への値段として払っている
- いちばん効いたのは6年前に口座を開いていたこと。器があると、決めた日に動ける
金が上がっているから買う、という話ではありません。自分の資産の中で、金にどんな役割を持たせるのか。そこが決まらないと、上がっても下がっても落ち着きません。
我が家の答えは「減らさないための枠を、全体の約30%」でした。
あなたの答えは、たぶん違う数字になります。それでいいと思っています。
※ この記事は我が家の実体験と、2026年9月時点の私の理解の記録です。特定の商品をすすめるものではありません。税制は改正されることがあり、取り扱いは個々の状況によって異なります。税金の判断は税務署または税理士にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
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