退去費用50万円がボーナスから消えていた|リベ大で「原状回復ガイドライン」を知って気づいた話【転勤族の社宅】

ボーナスの明細を見て、思わず二度見しました。

「退去費用……50万円?」

転勤族として何度も引っ越してきましたが、退去にかかる費用を、私はこれまでちゃんと見ていませんでした。会社の社宅制度の中で、いつの間にか天引きされていたからです。今回はその「気づき」と、リベ大(リベラルアーツ大学)で学んだ原状回復の知識、そしてこれから私がやろうとしていることを、正直に書きます。

📦 この記事でわかること

  • 社宅の退去費用が「見えにくい」構造のこわさ
  • リベ大で知った「原状回復ガイドライン」という存在
  • 経年劣化・通常損耗は本来どう扱われるのか(私の理解)
  • 次の退去で私が実践しようと考えていること

ボーナス明細で気づいた「退去費用50万円」

退去直前の空っぽの部屋。荷物をすべて運び出した後の状態。
荷物をすべて運び出した退去直前の部屋。この時点では、まだ50万円請求されるとは思っていなかった。

我が家の住まいは、会社が契約する代用社宅です。物件を選ぶのは従業員である私ですが、契約はあくまで会社。家賃の限度額を超えた分と、毎月の使用料は自己負担という仕組みです。

そして退去時にかかる費用は、ボーナスから天引きされる形になっていました。問題は、その金額を私がきちんと確認していなかったこと。今回たまたま明細を細かく見て、退去費用として約50万円が引かれていることに気づいたのです。

正直、ぞっとしました。もしかすると、これまでの引っ越しでも同じように引かれていたのかもしれない。ボーナスというまとまったお金の中だと、数十万円の天引きも紛れて見えなくなってしまう。見ていなかった自分にも、落ち度はあります。でも——もっと怖いのは、その内訳を確認しようがなかったことでした。

社宅の退去費用は、なぜ「見えにくい」のか

一般的な賃貸なら、退去時に管理会社から請求書が届き、自分で支払います。だから金額を意識せざるを得ません。

でも私の社宅の場合、請求のやり取りは会社が契約する社宅代行会社と管理会社の間で進み、最後は本社を通じてボーナスから天引きされます。私自身には、退去費用の内訳も、明細も、一切連絡が来ませんでした。「いくらが、何の費用なのか」を確認する以前に、知らされる機会すらなかったのです。

自分で振り込むわけではないので、金額が妥当なのかを問い合わせるという発想すら持てない。便利な制度の裏で、お金の流れがまるごとブラックボックスになっていました。ここに、大きな落とし穴があると感じました。

便利な制度であることは間違いありません。ただ「自分で払っていない」ことが、お金への意識を鈍らせていたのは事実です。

リベ大で知った「原状回復ガイドライン」

そんなタイミングで、両学長のリベ大の発信で「原状回復をめぐるガイドライン」というものの存在を知りました。国土交通省や自治体(東京都など)が、退去時の原状回復について、借主と貸主のどちらが費用を負担すべきかの考え方を示しているというのです。

私が理解した範囲では、ポイントはこうです。

  • 普通に住んでいて生じる経年劣化・通常損耗(日焼けによる壁紙の変色など)は、本来は貸主負担とされるのが原則
  • 一方、借主の故意・過失による損傷(タバコのヤニ、落書き、掃除を怠った汚れなど)は借主負担になりうる

これを知って、率直に「もしかして、本来払わなくてよかった分まで払っていたのでは」「内訳も確認せず、泣き寝入りしていたのでは」と思いました。もちろん、社宅の契約は会社と物件オーナーの取り決めなので、一般の賃貸とまったく同じ扱いになるとは限りません。それでも、知っているのと知らないのとでは、確認できることがまるで違うと痛感しました。

経年劣化と借主の過失——負担はどう分かれるのか(一般的な目安)

では、原状回復の費用は具体的にどう分かれるのでしょうか。私が調べた範囲での、一般的な目安を整理しておきます(あくまで一般論で、社宅や個別の契約では扱いが変わります)。

本来は貸主(大家さん)負担になりやすいもの=経年劣化・通常損耗

  • 日光による壁紙やフローリングの色あせ
  • 家具を置いていたことでつく床のへこみ跡
  • テレビや冷蔵庫の裏の電気焼け(黒ずみ)
  • 画鋲やピン程度の小さな穴(下地の張り替えが不要なもの)

借主(入居者)負担になりやすいもの=故意・過失や手入れ不足

  • タバコのヤニによる壁紙の変色・においの付着
  • 結露を放置して広げてしまったカビ
  • 飲み物などをこぼしたシミの放置跡
  • 引っ越し作業でつけた大きな傷やへこみ
  • ペットによる柱や壁の傷・におい

こうして並べると、「普通に暮らしていれば自然につくもの」と「手入れを怠ったり、うっかり傷つけたもの」で線引きされているのが分かります。私の50万円にも、本来は貸主負担のはずの経年劣化が含まれていなかったか——内訳が分からないからこそ、よけいに気になります。

これから私がやろうと考えていること

過去の分を取り戻すのは難しいかもしれません。でも、これからは違います。次の退去のときには、こう動くつもりです。

  • そもそも内訳明細が送られてこなかったので、次は自分から「退去費用の内訳を出してください」と請求する
  • 経年劣化・通常損耗にあたる項目がないか、ガイドラインに照らしてチェックする
  • 会社の退去チェック表に、ガイドラインの考え方を添えて提出し、不明点は確認する

会社の制度を否定したいわけではありません。ただ、従業員側も知識を持って「これは適正ですか?」と確認することは、決しておかしなことではないはずです。学んだことを、次にきちんと活かす。それが今回の私の宿題です。

学び:知識は「守るお金」を生む

リベ大でよく言われる「守る力」。固定費の見直しや保険の最適化と同じで、退去費用もまた「知っていれば守れたかもしれないお金」でした。

50万円という数字は、私にとって安くない授業料です。でも、これをきっかけに気づけたと思えば、これからの引っ越しで取り戻していけるはず。投資で増やすことばかり考えていましたが、知らないだけで出ていくお金を止めることも、立派な資産形成だと改めて感じています。

もし今、社宅にお住まいの方がいたら——一度、退去費用がどう請求されているか、明細を確認してみてください。私のように、見ていなかっただけかもしれません。

※本記事は我が家の実体験と、私個人の理解に基づく内容です。原状回復費用の負担区分は、契約内容・物件・自治体・個別の事情によって異なります。社宅の場合は会社と物件オーナーの契約が関係するため、一般の賃貸とは扱いが異なる場合があります。具体的な判断は、契約書の確認のうえ、自治体の相談窓口や専門家(弁護士・宅地建物取引士など)にご相談ください。