【第5回 みらい会議】「長女みたいになりたい」妹の手紙と、1億円の背中。

次女が、手紙を書いていた。

学校の授業で書いた「なりたい自分」の作文。そこにこう書いてあった。

「長女みたいになりたい」

読んだ瞬間、妻と顔を見合わせた。どちらも、何も言えなかった。

この夜、わが家の総資産は8,800万円目前だった。1億円の背中が、ようやく見えてきた。でも会議が始まって最初に語り合ったのは、数字の話じゃなかった。


絆の章:「長女になりたい」が教えてくれたこと

双子の姉妹の間に流れているもの

長女は学校でも「友達の忘れ物を届けに行く優しい子」として、教頭先生から直接褒められている。家では怒られた次女をそっとなだめる。言葉は少なくても、行動で妹を守っている。

その姉を見て、次女が「なりたい人」として名前を書いた。

7歳の子どもが書いた言葉は、どんな評論よりも正直だ。長女が日々積み重ねてきた優しさが、妹の目にちゃんと映っていた。

「自慢の娘やな」と、声に出た。

セミリタイア(サイドFIRE)を目指す「本当の理由」を、また確認した

資産が増えていくにつれ、不思議なことが起きている。

お金への執着が、少しずつ薄れていく。代わりに気になりはじめたのは、娘たちが持つ「お金では買えない資産」だ。長女の他者への優しさ。次女の驚異的な記憶力——枕草子を15分で暗記した、あの集中力。

この子たちの成長を、特等席で見続けたい。平日の夕方に話を聞ける親でいたい。水族館に行く日曜日を、仕事の疲れで台無しにしたくない。

FIREを目指しているのは、自由な時間を手に入れるためだ。そしてその時間で、いちばんしたいことは——娘たちの隣にいることだ。

8,800万円という数字より、次女の手紙一枚の方が、その理由をくっきりと思い出させてくれた。


戦略の章:金1,000万円と、1億円後の「自由な設計図」

ゴールドが1,000万円を超えた

保有している金(ゴールド)が、気づけば1,000万円規模にまで育っていた。

円安とインフレへのヘッジとして数年前から積み立ててきた。田中貴金属での純金積立と、投資信託の金ETFを合わせると、ポートフォリオの約28%を占める。

「増えてる、すごいな」と素直に嬉しかった。でも同時に考える。この先、どう使うか。

1億円を超えたら「高配当株」にシフトする

リベ大が説く「お金の5つの力」——貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う

今まではずっと「増やす」フェーズだった。でも1億円が見えてきた今、次のフェーズの設計を始めた。

方針は「高配当株へのシフト」だ。

目標は、配当金で変動費をすべて賄うこと。旅行費、家電の買い替え、子どもたちの習い事——そういった「生活を豊かにするお金」を、資産を取り崩さずに配当から出す。

元本が減らない。でも生活は豊かになっていく。それが「真の自由」の定義だと、ふたりで話した。

フェーズ戦略目的
〜1億円インデックス積立・金・iDeCo資産を増やす
1億円〜高配当株へシフト配当で変動費を賄う
セミリタイア後元本を守りながら運用継続資産を減らさず生活を楽しむ

実験の章:おにぎりが生み出す月1万円の使い道

「節約」ではなく「軍資金確保」という解釈

妻の手作りおにぎりとコーヒー持参を続けて、月約1万円の外食ランチ費が浮いている。

この「1万円」の使い道が面白い。

「そのままGemini(AI)の有料サブスクとGoogleフォトの2TB代に充てたら、ちょうど払えるな」

外食をやめる代わりに、最新AIという武器を手に入れる。我慢して節約したのではなく、より賢い選択肢に乗り換えた。この感覚が大事だと思っている。

AIがPHPエラーを倒した夜

実際にそのAIが活躍した場面がある。

ブログのPHPバージョン更新後、管理画面にエラーが出た。妻が「絶対自分一人では無理」と思ったような画面だ。

でもGeminiにスクリーンショットを見せて「ここが赤くなってます、どうすればいいですか」と聞いたら、順を追って操作を教えてくれた。

エラーは解決した。

「絶対自分一人では無理だった」——妻の安堵の顔が印象的だった。AIは「検索して自分で考えるツール」じゃなく、「一緒に作業してくれる従業員」になっている。月1万円のおにぎり代が、優秀なスタッフを雇う経費に変わった瞬間だ。


結び:日曜日は水族館へ。おにぎりを詰める音が、自由への足音に聞こえる

土曜日は雨だった。ヨドバシカメラのガチャガチャコーナーを長女と次女と一緒にじっくり回った。300円のガチャを何度も検討して、「これにする」と決めた顔が好きだ。

日曜日は晴れた。妻がおにぎりを握った。海の中道の水族館へ。

資産が8,800万円あっても、やることは変わらない。コンビニではなく、手作りのお弁当を持って出かける。新幹線ではなく、電車と歩きで行く。それが不満なわけじゃない。それが「自分たちらしい豊かさ」だと知っているから。

水族館のエイが水槽の上を泳ぐのを、ふたりが口を開けて見ていた。次女が長女の手を握っていた。

「長女みたいになりたい」と書いた妹が、お姉ちゃんの手を握って、同じ海を見上げている。

資産は数字だ。でも、この景色はお金では再現できない。FIREを目指しているのは、こういう日曜日を、もっと自由に、もっとたくさん作るためだ。


第5回で確認したこと

  • ✅ 資産8,800万円目前。1億円が射程圏内に入った
  • ✅ 1億円達成後は高配当株へシフトし、配当で変動費を賄う設計を描く
  • ✅ おにぎり代の月1万円でAIサブスクを賄い、ブログ運営を強化
  • ✅ AIは「一緒に動いてくれる従業員」として本格的に活用する
  • ✅ FIREの目的は「娘たちの隣にいられる時間」を守ること

おにぎりを詰める音が、自由への足音に聞こえる——そんな日常が、今日も積み重なっている。

みらい会議、第6回につづく。