次女が、手紙を書いていた。
学校の授業で書いた「なりたい自分」の作文。そこにこう書いてあった。
「長女みたいになりたい」
読んだ瞬間、妻と顔を見合わせた。どちらも、何も言えなかった。
この夜、わが家の総資産は8,800万円目前だった。1億円の背中が、ようやく見えてきた。でも会議が始まって最初に語り合ったのは、数字の話じゃなかった。
絆の章:「長女になりたい」が教えてくれたこと
双子の姉妹の間に流れているもの
長女は学校でも「友達の忘れ物を届けに行く優しい子」として、教頭先生から直接褒められている。家では怒られた次女をそっとなだめる。言葉は少なくても、行動で妹を守っている。
その姉を見て、次女が「なりたい人」として名前を書いた。
7歳の子どもが書いた言葉は、どんな評論よりも正直だ。長女が日々積み重ねてきた優しさが、妹の目にちゃんと映っていた。
「自慢の娘やな」と、声に出た。
セミリタイア(サイドFIRE)を目指す「本当の理由」を、また確認した
資産が増えていくにつれ、不思議なことが起きている。
お金への執着が、少しずつ薄れていく。代わりに気になりはじめたのは、娘たちが持つ「お金では買えない資産」だ。長女の他者への優しさ。次女の驚異的な記憶力——枕草子を15分で暗記した、あの集中力。
この子たちの成長を、特等席で見続けたい。平日の夕方に話を聞ける親でいたい。水族館に行く日曜日を、仕事の疲れで台無しにしたくない。
FIREを目指しているのは、自由な時間を手に入れるためだ。そしてその時間で、いちばんしたいことは——娘たちの隣にいることだ。
8,800万円という数字より、次女の手紙一枚の方が、その理由をくっきりと思い出させてくれた。
戦略の章:金1,000万円と、1億円後の「自由な設計図」
ゴールドが1,000万円を超えた
保有している金(ゴールド)が、気づけば1,000万円規模にまで育っていた。
円安とインフレへのヘッジとして数年前から積み立ててきた。田中貴金属での純金積立と、投資信託の金ETFを合わせると、ポートフォリオの約28%を占める。
「増えてる、すごいな」と素直に嬉しかった。でも同時に考える。この先、どう使うか。
1億円を超えたら「高配当株」にシフトする
リベ大が説く「お金の5つの力」——貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う。
今まではずっと「増やす」フェーズだった。でも1億円が見えてきた今、次のフェーズの設計を始めた。
方針は「高配当株へのシフト」だ。
目標は、配当金で変動費をすべて賄うこと。旅行費、家電の買い替え、子どもたちの習い事——そういった「生活を豊かにするお金」を、資産を取り崩さずに配当から出す。
元本が減らない。でも生活は豊かになっていく。それが「真の自由」の定義だと、ふたりで話した。
| フェーズ | 戦略 | 目的 |
|---|---|---|
| 〜1億円 | インデックス積立・金・iDeCo | 資産を増やす |
| 1億円〜 | 高配当株へシフト | 配当で変動費を賄う |
| セミリタイア後 | 元本を守りながら運用継続 | 資産を減らさず生活を楽しむ |
実験の章:おにぎりが生み出す月1万円の使い道
「節約」ではなく「軍資金確保」という解釈
妻の手作りおにぎりとコーヒー持参を続けて、月約1万円の外食ランチ費が浮いている。
この「1万円」の使い道が面白い。
「そのままGemini(AI)の有料サブスクとGoogleフォトの2TB代に充てたら、ちょうど払えるな」
外食をやめる代わりに、最新AIという武器を手に入れる。我慢して節約したのではなく、より賢い選択肢に乗り換えた。この感覚が大事だと思っている。
AIがPHPエラーを倒した夜
実際にそのAIが活躍した場面がある。
ブログのPHPバージョン更新後、管理画面にエラーが出た。妻が「絶対自分一人では無理」と思ったような画面だ。
でもGeminiにスクリーンショットを見せて「ここが赤くなってます、どうすればいいですか」と聞いたら、順を追って操作を教えてくれた。
エラーは解決した。
「絶対自分一人では無理だった」——妻の安堵の顔が印象的だった。AIは「検索して自分で考えるツール」じゃなく、「一緒に作業してくれる従業員」になっている。月1万円のおにぎり代が、優秀なスタッフを雇う経費に変わった瞬間だ。
結び:日曜日は水族館へ。おにぎりを詰める音が、自由への足音に聞こえる
土曜日は雨だった。ヨドバシカメラのガチャガチャコーナーを長女と次女と一緒にじっくり回った。300円のガチャを何度も検討して、「これにする」と決めた顔が好きだ。
日曜日は晴れた。妻がおにぎりを握った。海の中道の水族館へ。
資産が8,800万円あっても、やることは変わらない。コンビニではなく、手作りのお弁当を持って出かける。新幹線ではなく、電車と歩きで行く。それが不満なわけじゃない。それが「自分たちらしい豊かさ」だと知っているから。
水族館のエイが水槽の上を泳ぐのを、ふたりが口を開けて見ていた。次女が長女の手を握っていた。
「長女みたいになりたい」と書いた妹が、お姉ちゃんの手を握って、同じ海を見上げている。
資産は数字だ。でも、この景色はお金では再現できない。FIREを目指しているのは、こういう日曜日を、もっと自由に、もっとたくさん作るためだ。
第5回で確認したこと
- ✅ 資産8,800万円目前。1億円が射程圏内に入った
- ✅ 1億円達成後は高配当株へシフトし、配当で変動費を賄う設計を描く
- ✅ おにぎり代の月1万円でAIサブスクを賄い、ブログ運営を強化
- ✅ AIは「一緒に動いてくれる従業員」として本格的に活用する
- ✅ FIREの目的は「娘たちの隣にいられる時間」を守ること
おにぎりを詰める音が、自由への足音に聞こえる——そんな日常が、今日も積み重なっている。
みらい会議、第6回につづく。
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